僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない
- 2014.10.17
- 書籍
日本人は貧乏から脱出して豊かになった。
でもじつは、この国は、一人の稼ぎで食わせられる人間の数をずっと減らしてきただけなんです。
働く=就職ではないし、もはや大企業や流行の会社に就職出来たとしても、十年後にその企業が存在するかも分からないです。
貨幣経済から評価経済へ。自分が評価するものに価値をおく。ネットを介してそういうものが見いだしやすくなりました。評価経済のイメージを例えるなら、ブラック企業では貨幣経済での利益ばかりを求めて評価経済の利益を軽視しました。その結果バイトが集まらないという事態を招いたりします。
ネットで面白い事をやっている人は評価され、広告収入だけでなく直接的に援助を受けるかもしれない。そういうイメージの社会です。援助といってもそれはお金ではなく、その人がやって欲しい仕事かもしれません。今はそんな評価経済の高度成長期だということです。
それから、この人も「単職」ではなく「多職」を説いていますね。だから単一の会社で一生を安泰にという発想はもう無しです。セミリタイアを考える人には馴染める本だと思います。未だ会社が全てだという人に読ませて反応を見るのも面白いかもしれません。
第二章で、携帯音楽プレイヤーの手に入れ方を書いてあるのですが、次の方法を示しています。
1.新品を定価で買う
2.ネットで安く買う
3.中古をネットで買う
4.何かと交換してもらう
5.誰かからもらう
6.必要な時だけ借りる
新品を買うのは楽でいいです。しかし交換してもらったりする方が人との関わりが増え豊かではないかと筆者は書いています。誰かからもらったものなら、その人が消さなかった音楽が残っているかもしれません。そこにストーリーが生まれると。新品を買って不要になったら捨てるというのなら、何も残らないという事ですね。
現代の人はお金で煩わしさを解決しています。人に関わる煩わしさを金を払ってまでしたくないと考えているのですね。
私にも言える事ですが、家族と住めばかからない家賃を独立する事でかけてしまっているという事が実はお金が必要な要因なのです。純粋に食べるためだけならば、仕事の量は驚くほど少なくていいのではないでしょうか。
また、お金を使うのは「誰かの世話をするため」でそれがお金が必要な理由の本質ではないかとあります。自分一人で生きていくのは難しく考えないけれど、誰かを養うとか考えると途端にハードルが上がってしまう。すごくお金がかかるんじゃないかと考えるのですね。しかし、実際に弟を家に招き入れた姉は二万円程度の上昇でやっていけたそうです。
昔はお父さんが稼ぐだけで何人も養えたけど、今では自分の分を稼ぐので精一杯。もちろん給料も下がっているのかもしれないけれど、生活自体が個人主義になり高コストになっているんですね。
人と関わらなくていい自由は楽しかったけれど、やはりリタイア後に十分な資金がなければ、そういう人達でまとまって低コストで住むことを考えるのは今後必須になっていくのかもしれません。
結局は評価経済というのも自分のキャラやコミュニティが重要という事を言っているのですが、この本を読んで、自分だけで生きていくという考えは改めた方がいいかもな、と思いました。
要するにリア充になれって感じで私の苦手な事ですが、例えれば自分がRPGの勇者になって人助けをする人生です。目的は何であれ、装備が貧弱でも冒険は冒険、結果じゃなく途中の過程全てが面白いということでしょう。
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