「れんげ荘(群ようこ)」を読んだ。45歳で広告代理店を早期退職し月10万円で暮らす

「れんげ荘(群ようこ)」を読んだ。45歳で広告代理店を早期退職し月10万円で暮らす

「れんげ荘」はセミリタイア村のブログでも何度か紹介されていた記憶があり、ずいぶん前からamazonのウィッシュリストにも登録して非常に気になっていた本です。

なぜか近所の本屋にこの「れんげ荘」がどーんと平積みになっていて、俺が買うしかないじゃないかと思って買いましたw。(Kindle版が無いのよね)

 

有名広告代理店に勤務していた主人公のキョウコ。

接待や深夜まで仕事漬けという日々に疑問を持ち、四十五歳で会社を早期退職する。そして貯金を切り崩しながら月々十万円で生活してくという、まるで貧乏早期リタイアのお手本というかモデルケースのような物語です。

 

キョウコは母親の性格にも悩んでいて実家を出ることを考え、退職後はれんげ荘というぼろアパートで生活を始めます。しかし初めのうちは仕事をせずのんびりと過ごすことが落ち着かない。これでいいのか悩んだり迷ったりする日々が続きます。

そこへお隣に住むクマガイさんとの出会いがあり、また友人のマユとの会話などを通じて常識に囚われている自分を変化させていく。そして徐々に無職生活を楽しめるようになっていくというお話。

ぼろアパートながら管理人がいい人で共同のエリアが清潔に保たれているところがミソですね。

 

思うに、これは貧乏早期リタイア生活への一つの指針となるバイブルです。

仕事を辞めるのが不安だったり、辞めたらどういう生活になるのだろうと心配している人は、一度読んでみれば雰囲気を味わえる気がします。主人公の感情の移り変わりなどいいシミュレーションではないでしょうか。

ただ私は既に主人公の様な経験や感情を体験しているので新たに得ることは特に無いのですが、共感して、そうだよなあ~と退職した当時を懐かしく思い出しました。やはり貧乏で早期リタイアというのは何かを吹っ切った人の特権なのだと感じました。いや、行動に移せた自分を誇りに思いました。

 

読み進めると、主人公の母親の考え方が旧態依然としてあまりにも酷いのです。主人公キョウコの唯一の敵と言ってもいいくらいですね。

キョウコの母親はれんげ荘を汚いと毛嫌いします。キョウコはずっと実家住まいで貧乏暮らしを経験したこともなく、築ウン十年のオンボロアパートを風情があると思って借り、梅雨時のカビや夏の蚊に悩まされるのですよ。

そこが甘っちょろいといえばそうなんですが、今の若者も共同トイレのアパートなんて経験したことがないかもしれないので、そういう意味では多少勉強になるのかも。

 

仕事と退職について上手い表現がしてあります。

そして一度、会社の仕事という立ち乗りの絶叫マシーンに乗ってしまったら、想像を超える速さで走り出し、最初は振り落とされまいと踏ん張っていたのが、そのうち脱力したままマシーンの動きに身を任せ、そしてその脱力した自分の体重さえもてあますようになって、降りるのを決意したのだ。

 

キョウコが何もしない暮らしをこれでいいのか悩んでいると友人はこういうことを言います。

「体がだらだらしているつもりでも、全然、気持ちがだらだらしていないのよ。どこかでこれじゃいけないって考えているんでしょ。だから真面目なのよ」

中略

「あなたはまだ欲望があるのよ。精神的なまじめな欲望が。それは悪いことじゃないとはおもうけど、邪魔になるときもある」
「まじめな欲望?」
「だとえば誰かみたいになりたいとか、具体的な人じゃなくても、頭の中に描いているかっちりとした鋳型に、がんばって自分を嵌めようとしているんじゃないのかな。その人にふさわしいモデルケースなんて誰も教えてくれないの。そんなものはどこにもなくて、自分の頭で考えて自分になるしかないのよ」

 

誰しも今まで何かを目標に頑張ってきて、ふっとやることがなくなるとこのままでいいのかと葛藤する事はあるのでしょうね。特に真面目な人ほどそのように感じるかもしれません。自分も多少はそれを思いますが、現在でもこれでいいのだという思いのままです。

また何かやりたいことや目標が現れたら、それはその時にどのように実現可能かを考え、働く必要が出てきたらそうすればいいのです。がむしゃらに進む日々も重要でしょうし、何もしない日々も大切なのです。

 

この本を読んで早期リタイアという考えはやはり一般には受け入れられにくいので、セミリタイア村などにいる同好の士(というかある意味戦友)と協調するのは大切だと改めて感じました。

この本は早期リタイアの初心を忘れそうになったら読み返そうと思います。

 

続編の「働かないの」も同時に購入してあるので、近々読んでみたいと思います。
追記:読みました~。記事はこちら。

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