MITの学部では最先端なんか教えない

こんばんは。実は元々地元(といっても南信の伊那・駒ヶ根ありだが)の企業の製品である養命酒を愛飲しているものです。(効果の程は分かりませんが)

今、池上さんの本を読んでます。(まだ途中だけど) 出身地が近いもので親近感がありまして。
池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

この本は、基本東工大(日本ではMITに近いイメージと思われる)の教授との対話形式で「教養は大事だよ。一見すぐには役に立たないかもしれないけど人生を豊かにしてくれるよ。」という本なのですが、なるほどなあと思った事があったのでちょっと書かせて下さい。

MITのシンボル

アメリカの工科大学ですがMITでは最先端など教えないそうです。先端科学はすぐに古びる。陳腐化する。だから大学では教えない。卒業する頃には古い知識になってしまう。そんなものをただ暗記しても仕方がない。

そして理系なのに音楽まで学べるそうです。理系バカ、専門バカになってしまっては役に立たないということが分かっているのですね。特に歴史は重要で、歴史を学ぶ事により人間を学べます。(年号などの事ではない) 何度も現れた巨大帝国の栄枯盛衰を通して人間は何度も同じ様な過ちを繰り返すと分かりますし、それは人間の行為の普遍性を学ぶ事であり、即ち人そのものを学ぶということですね。

日本では「実学志向」で、大企業が即戦力を欲しがります。これが日本の産業の衰退に繋がったと考えられています。ベースとなる知識がないので新しい事を生み出せません。アメリカでは逆で、一見「実学」的な先端科学の知識こそすぐに実社会では役に立たなくなる。自らの考えや知のベースとなる「教養」を豊かに学んだ方が長期に渡りはるかに役に立つという教育方針だそうです。

もっと言うと、知識そのものではなく「学び続ける姿勢」を教えるとの事です。知識の暗記よりも一生自分で学び続けるという姿勢を重要視しているのですね。社会に出たらもう誰も何も教えてくれませんからね。その会社で必要な書類の書き方とかそういう事以外は。

MIT2

MITの話で特に興味深かったのは、学生を裸一貫で電気もないような途上国へ送り込む教育プログラムがあるそうです。コンピュータなど使えず英語も満足に通じないような土地で、実際に村で問題となっているような課題を解決するもので「D-Lab」という名称だそうです。これは素晴らしいですね。社会に出ればこういう困難な状況に置かれる事はあると思いますが、その場にある材料と自分の頭で「なんとかする」という精神が培われます。(私も含めぬるま湯のような日本の学生には嫌がられるでしょうけどね)

なるほど、アメリカって色々言われて、一般民衆にはバカも多いと思うけど、国力としての考え方にはやはりすごいものがあるなと思いました。とりあえず何でもやってみる姿勢がある所がすごいですね。例え失敗したとしても教訓になるし次回は別の方法でトライできる。

「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」はかつて慶応大の塾長を務め今上天皇の教育係だった小泉信三という人の言葉だそうです。なるほどなあ。深い。

今、日本のここしばらくの実学偏重の反省から、池上さんが教授を務める東工大でもリベラルアーツ=いわゆる教養を見直しているそうです。だから池上さんに現代史などを教えてくれとお呼びがかかったという事ですね。

しかしつくづく日本って、俺みたいな与えられた事だけを消費して喜んでいる凡人には平和で幸せな国だけど、才能があり自分で何かを創り出そうという気概を持つ人達にとっては退屈な国なのだろうなあ、と感じました。

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