「チルドレン」伊坂幸太郎

「チルドレン」伊坂幸太郎

先日の「グラスホッパー」に続いて、これも実家に置いてあったので読書です。あと伊坂幸太郎で読まずに置いてあるのは「ゴールデンスランバー」ですね。読まないうちに買いすぎ。

この本は五つの話から成る短編集ですが、「陣内」という人物を通じて長編小説のように読めます。

最初の短編では登場人物達の出会いが書かれているのだけれど、それが銀行強盗の人質になるという珍しい出会いです。永瀬という盲目の青年が、この強盗騒ぎは銀行員たちが示し合せてやったものだと仮説を立てたりして。

他、陣内の後輩の家裁調査員が少年事件を担当したり、離婚調停に関わったりと、それぞれの短編で絡んでくるようになってますね。短編単体でも面白いですし、各短編の時系列が時の並び通りでないので、一見主人公は普通に仕事をしているようだけど、若い頃はそういう感じじゃなかったんじゃないという過去を遡る面白さもあり。

陣内という登場人物が破天荒?じゃないな、はた迷惑なんだけど愛すべき人で、彼を通した周囲の人間模様や巻き起こる事件(という程のものじゃない)の話です。しかし前向きな彼も父親に対してどうしても受け入れられない感情を持っていたんですよ。その辺がいつしかすっきり解決していて、それがどうゆう理由か謎なのだけれど。

最後に、彼がどうやって父親の事を解決したのか、それが判明します。全体的に陣内というぶっ飛んだキャラを通して心温まる系の爽やかな作品でした。結構良かった〜。

彼は好き勝手な事を言うんだけど名言があるよ。「そもそも、大人が格好良ければ、子供はぐれねぇもんだよ。」とか。

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